切削加工関連書籍の市場規模の試算
切削加工関連の書籍は,すぐに絶版になります.
おかげで中古本を買うはめになっています.
なぜこんなに絶版になってしまうのでしょうか.
どう考えても,そんなに売れないからなのですが,ここでは,その市場規模を試算してみます.
書籍の市場規模は,つまりは,その読者候補がどのくらいいるのか,ということだと考えます.
そこで,金属工作機械作業従事者の人数を調べます.
令和二年国勢調査の結果によると,日本全国に15.2万人がいるらしいです.
これを切削加工関連書籍の読者候補人数であると仮定します.
日本の総人口は1億2434万人で,そのうち15歳未満人口は1431万1千人とのことです.
これは,「人口推計」(総務省統計局)(WEBサイトリンク)(2023年11月5日に利用)を参照しています.
ここから15歳以上の人口は1億1003万人であることが計算できます.
15歳以下でも読書する人はいると思いますが,ここでは,日本全体の一般書籍(小説など読者の背景知識の有無を問わないものとする)の読者候補人数であると仮定します.
よって,日本では,切削加工関連書籍の読者候補人数は,一般書籍の読者候補人数の0.14%しかいないことがわかります.
同じような手間をかけて本を執筆したとしても,読者候補人数が714倍違うとなると,すぐ絶版になるのも仕方ないかなぁ,という気がします.
切削加工全体ではなく,切りくずや切削油剤のことしか書いてない本とかになると,さらに読者候補人数は減ってしまうので,なおさらです.
切削加工関連の書籍には海外のものもあり,結構おもしろいものがあります.
日本の書籍にはないような専門的なことしか書いてない書籍もあります.
こういった本が販売されているのは,逆説的には,それ相応の市場があるからなのかもしれません.
そこで,日本のデータを英語話者の人数に拡張して,その市場を試算してみます.
Ethnologueによると英語の話者は,14億5600万人らしいです.
ここに日本の読者候補人数の割合を乱暴に当てはめると,一般書籍は12億8843万人,切削加工関連書籍の読者候補人数は178万人いることになります.
日本での市場よりも約11.6倍大きいです.
表 読者候補人数の試算結果
人数分類 | 日本 | 英語話者 |
---|---|---|
総人口 (万人) |
12434 | 145600 |
一般書籍の 読者候補人数 (万人) |
11003 | 128843 |
切削加工関連書籍の 読者候補人数 (万人) |
15 | 178 |
*参考
上記「金属工作機械作業従事者」の人数は下記方法で抽出しています.
「令和二年国勢調査結果」(総務省統計局)(WEBサイトリンク)(2023年11月5日に利用)
→抽出詳細集計
→H_生産工程従事者
→10 男女,従業上の地位,職業(小分類)別就業者数(15歳以上)-全国,都道府県,21大都市,特別区,人口50万以上の市
→49_製品製造・加工処理従事者(金属製品)
→49d_金属工作機械作業従事者