切削,研削,研磨
切削,研削,研磨は硬いものをぶつけて削るという点では同じなのですが,異なる特徴を持ちます.
どう違うのかについてまとめます.
項目 | 切削 | 研削 | 研磨 |
---|---|---|---|
加工点の 数 |
単点 多点 |
多点 | 多点 |
加工点の 状態 |
固定 | 固定 | 固定 遊離 |
加工点の すくい角 |
正 負 |
負 | 負 |
加工能率 | 高 | 中 | 低 |
加工精度 (面性状) |
低 | 中 | 高 |
加工形状の 生成 |
運動転写 形状転写 |
運動転写 形状転写 |
形状転写 |
制御方式 | 位置制御 | 位置制御 | 圧力制御 |
刃先の 整備 |
交換 再研磨 |
交換 ツルーイング ドレッシング 自生作用 |
交換 |
切削は加工点の位置が大体わかるのに対し,研削と研磨は加工点の位置がわからない,というのが最大の差だと思います.
加工点の位置がわかったからといって何か意味があるかというと,刃先観察がしやすいくらいだと思います.
研磨は特に遊離砥粒になると加工点は全くわかりませんが,面性状としての加工精度は高いです.
加工点が厳密に管理できないのに,なぜ面性状が良くなるか,というのは,制御方式が圧力制御である点が要因だと思います.
ただし,圧力制御は,除去体積が管理しにくいという欠点があります.
それなら,位置制御であれば除去体積が管理できているのか,と思うかもしれませんが,厳密な制御はできていません.
なぜなら,位置制御は切込み深さの設定値を決めているだけなので,工作物剛性や工具剛性で変形すると刃先位置がずれるからです.
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