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最終更新日:2021年08月28日

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切削,研削,研磨

切削,研削,研磨は硬いものをぶつけて削るという点では同じなのですが,異なる特徴を持ちます.
どう違うのかについてまとめます.

項目 切削 研削 研磨
加工点の
単点
多点
多点 多点
加工点の
状態
固定 固定 固定
遊離
加工点の
すくい角

加工能率
加工精度
(面性状)
加工形状の
生成
運動転写
形状転写
運動転写
形状転写
形状転写
制御方式 位置制御 位置制御 圧力制御
刃先の
整備
交換
再研磨
交換
ツルーイング
ドレッシング
自生作用
交換

切削は加工点の位置が大体わかるのに対し,研削と研磨は加工点の位置がわからない,というのが最大の差だと思います.
加工点の位置がわかったからといって何か意味があるかというと,刃先観察がしやすいくらいだと思います.
研磨は特に遊離砥粒になると加工点は全くわかりませんが,面性状としての加工精度は高いです.
加工点が厳密に管理できないのに,なぜ面性状が良くなるか,というのは,制御方式が圧力制御である点が要因だと思います.
ただし,圧力制御は,除去体積が管理しにくいという欠点があります.
それなら,位置制御であれば除去体積が管理できているのか,と思うかもしれませんが,厳密な制御はできていません.
なぜなら,位置制御は切込み深さの設定値を決めているだけなので,工作物剛性や工具剛性で変形すると刃先位置がずれるからです.



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