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最終更新日:2021年05月03日

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切削シミュレーションに思うこと

切削理論を使って,切削抵抗や切削温度,切りくず流れをシミュレーションするという試みは数多くなされています.
わかりやすいのでいえば,有限要素法を使うものがありますが,他の方法も様々に提案されています.
また,それらの手法を用いた切削シミュレーションソフトウェアも市販されています.
そのため,切削シミュレーションを実施されているかたも多いと思います.
しかしながら,個人的な意見としては,切削シミュレーションの計算結果を盲信するのはやめたほうがいいと思います.
その理由は,切削を構成する以下の要素が理論的に未解決であったり,考慮できていなかったりするためです.


個人的に考えている問題点についてつらつらと書きましたが,切削シミュレーションそのものを否定するつもりはありません.
これらの試みも,切削加工の進展には必要だと考えるからです.
問題なのは,切削シミュレーション結果を絶対的に正しいと盲信することです.
切削シミュレーションのソフトウェアが市販されているからかもしれませんが,切削シミュレーションの計算結果をそのまま信じている人が多いように感じます.
シミュレーションに使われている計算条件を見たりすると,摩擦係数が一定値で固定になっていたりする場合があります.
これはどう考えてもおかしいと思いますが,計算条件を見たりしなければ気づきませんし,摩擦現象に影響が出ることを知らなければ何も思わないと思います.
計算条件をちゃんと把握したうえで使うのであれば,加工条件変更に伴う相対的な影響くらいは把握することができると思います.



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