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最終更新日:2020年09月13日
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工作機械の歴史 
職人の技からオートメーションへ


題名 著者 レベル 傾向 キーワード オススメ度
工作機械の歴史 
職人の技からオートメーションへ
L・T・C・ロルト 著,
磯田浩 訳
初心者 実践 工作機械,歴史 ★★★

出版社 初版発行年 ISBN 定価 入手方法
平凡社 1989年 4-582-53203-9 3600円+税 書店

内容と感想

工作機械の発展の歴史について書かれている.
ヘンリー・モーズレーのねじ切り旋盤などが開発されたときの逸話や時代背景などが説明されており,そこらへんの単語を聞いたことがある人には面白いと思います.
一番面白いと思うのは,第十章「金属切削の科学」で,フレデリック・W・テイラーの功績について説明されているところです.
切削加工の分野において様々な功績を生み出していますが,根本的に重要だったのは「系統立った科学的な研究手法を切削加工の分野に適用した」という部分に尽きるのだと感じました.
なぜテイラーが大量の切削試験を実行できたのか,という点がずっと不思議だったのですが,所属していた会社の社長であるウィリアム・セラーズという人がずっと支援していたからということらしいです.
それにしても,26年間で20万ドルの経費をかけて,5万回の切削試験で36トンの金属を切削する,という試験を実施したことも凄いですが,それだけの資金を出資する価値が,この一連の試験とフレデリック・W・テイラーにあると,ウィリアム・セラーズが信じた理由が何なのか気になりました.