切削加工の専門書と論文のリストとオススメ
最終更新日:2020年11月25日

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工作機械関連の書籍のオススメ

工作機械の構造や特徴について記載のある本についてまとめます.

JIS B 0105によると工作機械の定義は「主として金属の工作物を,切削,研削などによって,又は電気,その他のエネルギーを利用して不要な部分を取り除き,所要の形状に作り上げる機械.ただし,使用中機械を手で保持したり,マグネットスタンドなどによって固定するものを除く」となっています.
つまり,加工対象は主として金属ですが,除去方法は切削,研削,放電などの様々な手段でもよいことになっています.
とりあえず,ここでは狭義の意味で,金属切削工作機械の話に限定します.

限定しても,旋盤,フライス盤,ボール盤,複合加工機,形削り盤など,様々な名称のものがあります.
とりあえず,これらの工作機械は,切削工具と工作物に相対運動をさせて,工作物から不要な部分を除去します.
これらの中で,切削加工として一番わかりやすい工作機械は,単刃工具を用いる,旋盤か形削り盤だと思います.
ただし,形削り盤はあまり有名ではないと思います.
有名かどうかだけでいえば,有名なのは,旋盤,フライス盤,ボール盤だと思います.

ということで,まずは旋盤の勉強から始めて,フライス盤の勉強をするのがいいと思います.
そのくらいの入門レベルのことから書いてあるのは,「やさしい工作機械の話 基礎編」です.

その次に,工作機械に制御装置が付くと,数値制御工作機械に分類が変わります.
数値制御を英語で書くとNumerical controlなので,例えば,旋盤はNC旋盤,フライス盤はNCフライスなどと呼ばれたりします.
ここにツールマガジンが付いて自動工具交換ができるようになると,NC旋盤はターニングセンタに,NCフライスはマシニングセンタに名称が変わります.
ここらへんのことは,「絵ときマシニングセンタ」に書いてあります.

また,ここまではXYZの並進3軸が動くタイプの工作機械ですが,これに回転2軸が加わると,5軸加工機になります.
5軸加工機のことは,「やさしい5軸・複合」に書いてあります.
さらに詳しく知りたい人は,「多軸・複合切削加工」を読むといいと思います.

各種工作機械の特徴などについて,もう少し勉強したい場合は,「21世紀の工作機械と設計技術 モノづくりの基本「切削加工機」」がいいと思います.
熱変位や運動誤差について記載があるので,工作機械に起因する加工誤差の要因などについて勉強ができると思います.

さらに突っ込んで勉強したい場合は,「工作機械の設計学(基礎編)マザーマシンを知るために」や,「工作機械の設計学(応用編)マザーマシン設計のための基礎知識」がいいです.
ただし,設計に踏み込んだ記載になっているので,工作機械の構造についてある程度の理解ができてからにしないと,意味がほとんど分からないと思います.



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