切削加工で使う測定器と測定機
切削加工で使う測定器と測定機で思い出したものをまとめています.
同じ種類の物理量を測定する複数種類の測定機は,各々の長所と短所が違うので,結果として共存しています.
よって,自分が測定を行いたい物理量の大きさや,測定環境などを考慮して,どの測定機を使うのかを検討する必要があります.
距離,速度,加速度は,互いに微分積分の関係性にあります.
それなら任意の1つの物理量で測定を行えば,残りの2つも計算できそうなものですが,なかなかうまくいかないと思います.
それは,測定結果にはノイズが含まれるため,それが微分積分に影響して変換結果に誤差が入り込むためです.
S/N比をよくしたりすると変換も上手くできるのかもしれませんが,必要な物理量を直接測定するのが最良だと思います.
測定器
- スケール
- ノギス
- マイクロメータ
- シックネスゲージ:測定距離が短い測定機を使うときの距離調整に使える.
- ダイヤルゲージ:工作機械のテーブル上で,治具の位置合わせや刃先位置測定に使える.
- ハイトゲージ
- デプスゲージ
- ブロックゲージ
- トルクレンチ
- トルクドライバ:チップを固定するのに使うねじのトルク管理に使える.
- 水準器:測定機を除振台に乗せているときに水平出しを簡易的に行うのに使える.
測定機:距離
- 接触式変位センサ
- レーザ変位センサ:大きく分けて反射型と透過型がある.反射型には正反射と拡散反射がある.測定環境の汚れに弱い.
- 渦電流式変位センサ:測定可能な距離が短い.距離を測りたい対象物が導体である必要がある.対象の材質ごとに校正が必要.
- 静電容量型変位センサ:測定可能な距離が短い.距離を測りたい対象物が導体である必要がある.対象の材質ごとに校正が必要.ノイズが大きい.
測定機:速度
- レーザドップラ振動計:速度を直接測定できる装置は少ない.
測定機:加速度
- 加速度センサ:圧電素子式やひずみゲージ式などがある.
測定機:荷重
- ひずみゲージ:荷重変換器や6分力計のように呼ばれる.
- 切削動力計:水晶圧電式のものが最も有名.測定値にドリフトがある.
測定機:温度
- 熱電対
- 放射温度計:測定対象ごとに校正が必要.
測定機:面粗さ
- 表面粗さ測定機:触針式の場合,針先端のRがフィルタのように働くことに注意.
- 干渉計
- レーザ顕微鏡:顕微鏡で写真を撮影する感覚で,面粗さの測定などができる.
測定機:形状
- 三次元測定機
- 輪郭形状測定機:表面粗さ測定機と一体化している測定機もある.
- 真円度測定機
測定機:硬さ
- 硬さ試験機:硬さは単位がたくさんあり,単位ごとに測定機がある.
測定機:不釣り合い
- 釣合試験機:不釣り合いの調整まで自動で実施する装置もある.
測定機:工具寸法
- ツールプリセッタ
- 投影機
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