測定機の設置位置による影響
工作機械上で切削加工を実施して,何かを測定するときには,測定機をどこかに設置する必要があります.
その設置位置によって,測定結果に含まれる要因が変わる場合があります.
これは,測定機が設置位置から見た測定対象の状態を測定するからです.
ここでは,工具先端の変位を測定する場合を例として,測定機の設置位置を変えたときの影響を説明します.
- 設置位置:工作機械のテーブル上
工具-工作物の相対変位を測定することになります.
切削抵抗や加工精度に主に影響するのは,この相対変位なので,その解析をしたいときに適していると思います. - 設置位置:工作機械の主軸上
工具-主軸の相対変位を測定することになります.
工具の突き出し量が大きいなど,工具剛性が懸念される場合に適していると思います. - 設置位置:工作機械外
イメージとしては,相対座標ではなく,絶対座標で測定するような感じです.
工具の変位情報の中に,工作機械自体の運動誤差や振動モードの影響も含まれます.
そのため,工作機械の評価を実施するときに向いていると思います.
また,「テーブル上に設置する」といっても,テーブル上か,工作物上か,などによっても影響が変化します.
これらの影響を上手く使えば,測定値に含まれる影響を分解することも可能ですので,よくよく検討するのが良いと思います.
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