NCプログラムを最低限読むためのコード集
NCプログラムを読むときに最低限必要なコードをここにまとめます.
各コードの細かい意味や使い方については,様々な資料が世の中にあるので,それを見てもらえばよいと考えます.
ここで言いたいのは「大体,このくらいの種類を覚えれば基本動作が理解できる程度のプログラムがNCプログラムというものである」ということです.
ここでは固定サイクルなどには触れておらず,実際のプログラムではこれ以外のコードも出てきますので,その都度,勉強が必要です.
特殊なコードの場合,工作機械メーカによって意味が違う場合があるので,その点にも注意が必要です.
下表に記載されている程度のレベルのコードはISO6983-1やJIS B 6315で定義されているので,各社で共通と考えられます.
私個人としては,このページ中に示すコードが最低限だと考えます.
NCプログラムに使われているコードは大別すると3種に分けられます.
- Gコード:準備機能.主として工具の移動.
- Mコード:補助機能.工具の回転や切削油吐出のONOFFなど.
- その他:回転数や送り速度の指定
下表にそれぞれのコード例を示します.
このページに記載されているもの以外にもたくさんあります.
| コード | 意味 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| G00 | 位置決め補間 | 位置決めのために早送りで移動 | 切削には使わない |
| G01 | 直線補間 | ||
| G02 | 円弧補間 時計回り |
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| G03 | 円弧補間 反時計回り |
||
| G04 | ドウェル | 指定した時間の間その場で停止 | |
| G17 | XY平面選択 | ||
| G18 | XZ平面選択 | ||
| G19 | YZ平面選択 | ||
| G54からG57 | ワーク座標系設定 | ||
| G90 | 絶対値指令 (アブソリュート) |
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| G91 | 増分値指令 (インクレメンタル) |
||
| G92 | 座標系設定 |
| コード | 意味 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| M00 | 一時停止 | オプショナルストップに関係なく一時停止 | |
| M01 | 一時停止 (オプショナルストップ) |
オプショナルストップが有効な時は一時停止 | |
| M02 | プログラム終了 | プログラム終了後, プログラムの頭出し機能なし |
|
| M03 | 主軸正回転 | 工具や工作物の突き出し方向に沿って 右手の親指を向けたときの,右手回りが正回転 |
|
| M04 | 主軸逆回転 | ||
| M05 | 主軸回転停止 | ||
| M06 | 工具交換 | ||
| M08 | 切削油の吐出ON | ||
| M09 | 切削油の吐出OFF | ||
| M30 | プログラム終了 | プログラム終了後, プログラムの頭出し機能あり |
|
| M98 | サブプログラム呼び出し | ||
| M99 | サブプログラム終了 |
| コード | 意味 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| O | プログラム番号 | ||
| N | シーケンス番号 | ||
| F | 送り速度 | 旋盤だと単位はmm/rev. フライス盤だと単位はmm/min |
|
| S | 主軸回転数 | 単位はrpm | |
| X | X軸座標 | 旋盤だと工作物の直径. | |
| Y | Y軸座標 | ||
| Z | Z軸座標 | 旋盤だと工作物回転軸方向の座標. |