切削加工関係のアプリの分類
切削加工関係のアプリには、工具メーカが作成したものや個人が作成したものがあり、検索するといくつか出てくると思います.
ここでは,それらにどういった機能があるのかを簡単にまとめます.
直接的に比較するのもなんなので,具体的なアプリ名は挙げていません.
ただし,切削加工のアプリの数がそもそもそんなにないのと,有料アプリは使ったことがないので,無料のアプリを試しに使ってみれば大体わかると思います.
- 切削条件計算
この機能はほとんどのアプリが有しており,簡単な関係性のみが計算できるものが多いです.
例えば,回転数,工具径,切削速度の関係は,3つのうちの2つが確定すれば,残りの1つが決まるので,その換算ができます.
他にも,送り速度,回転数,刃数,一刃当たりの送り量の関係などがあります.
加工時間やコストが計算できるものや,実一刃当たりの送り量が計算できるものもあります.
ただし,実一刃当たりの送り量が計算できるものであっても,どこの刃先位置で計算しているのかわからないものがあります.
- 推奨切削条件表示
工具メーカ製のアプリに,この機能があるものがあります.
加工対象,切削工具およびチップ材種などを選択していくと,推奨加工条件が表示されます.
ただし,当然ながら,その工具メーカの製品の推奨条件しかでてきません.
- カタログ閲覧
工具メーカ製のアプリだと,この機能があります.
ただし,アプリにカタログが組み込まれているわけではなく,インターネット接続が必要なものが多いです.
それなら,紙媒体のカタログを見たり,PDFを別途ダウンロードしたりしたほうがいいと思います.
- 工具摩耗診断
工具摩耗の一覧表が載っているアプリがあり,刃先を見ながらちょっと調べるのにいいアプリがあります.
他には工具摩耗の写真から工具摩耗幅を測定するためのアプリもあります.
しかしながら,スマートフォンに拡大レンズを別途付けないといけないらしいので,事前準備が必要です.
- チップ材種や型番の変換
工具メーカ製のアプリに,この機能があるものがあります.
チップ材種が似た性質を持っていても,メーカ間でチップ材種の名称などが全く違うので,その変換を行う機能です.
- 相談窓口
工具メーカ製のアプリだと,ほとんどこの機能があります.
アプリを適当に触ってしまって,この機能が勝手に起動してしまわないか心配になるので,個人的にはこの機能は好きではありません.
- NCプログラムシミュレーション
2Dや3Dでシミュレーションができるらしいのですが,そもそもスマホでプログラムを書かないので,使ったことがありません.
- 計算機能がアプリに組み込まれているのではなく,計算機能を組み込んだWEBサイトへのリンク集になっているアプリがあります.
これは,インターネット接続が必須で,反応がいちいち遅いので使いにくいです.
- 自社製品の動画へのリンクがあるアプリもあるのですが,私はスマホの通信量を消費したくないので,動画を見たことはありません.
- スマホのマイク機能を使ってFFTを実施し,パワースペクトルが描けるアプリがあります.
切削加工関係アプリとしてではなく,そういう専用アプリがあります.
これで切削中に発生する振動音のスペクトルを確認したりすると面白いです.
- スマホの加速度測定機能を使ってスマホの姿勢から角度を測定できるアプリがあります.
これも切削加工関係アプリとしてではなく,そういう単機能のアプリがあります.
水準器を使ったりするのが,より正確だと思いますが,手元にない時には役に立つと思います.
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