特許の読み方
特許調査を目的として特許を読もうとしたとき,最初から最後まで順番通りに読むと非常にわかりにくいです.
その特許そのものを正確に理解しようとすると最初から最後まで順番通りに読むのが正しいのだと思いますが,特許調査が目的である場合は,全部を読む必要がない場合が多いです.
特許の概要を理解して自分の調査目的と比較することにより,続きを読む必要があるのかどうかなどを判断しながら読むことが重要です.
そのため,特許調査を行う場合は,順番を変えて読むのがよいと思います.
まず,特許の文章構成を以下に示します.
- 出願情報
- 特許請求の範囲
- 技術分野
- 背景技術
- 先行技術文献
- 発明の概要
- 図面の簡単な説明
- 発明が解決しようとする課題
- 本開示の効果
- 本開示の実施形態の説明
- 符号の説明
- 要約
- 図表
特許調査をするときは,以下のような順番で読んでいます.
途中の段階で,読む必要がないと判断したら読むのをやめます.
- 出願情報:特許として成立済みなのか出願中なのかを確認する.
- 要約:ここを読んで目的がわかるものとわからないものがある.
- 特許請求の範囲:どの範囲で特許請求をしているかを理解する.
- 図表:図を見ると目的がわかるものもある.
- 符号の説明:「図表」中に記載されている数字が何を示しているのか調べる.ここに記載がなければ本文中を探す.
- 発明が解決しようとする課題:ここから特許請求の範囲の意味がわかることもある.
- 背景技術:「発明が解決しようとする課題」を読んでもわからないときに読む.
- 先行技術文献:背景技術の内容が先行技術文献を読まないとわからないときに,ここをもとに先行文献を探してくる.
- 発明の概要:ここまできてわからなかったら,概要を読んでもよくわからないことが多い.
- 本開示の実施形態の説明:さっぱりわからないときだけ読む.
注意事項としては以下のようなものがあります.
- 海外で出願された特許で日本にも展開されているものは,日本語訳がなされているのですが,専門用語が本来の日本語に変換されておらず,変な日本語になっていることがあります.そういうときは元の海外特許で単語を確認したほうがいいです.
- 要因と効果の関係性が技術的に全く理解できないものがたまにあります.特許庁は技術の正当性や効果を保証するという機関ではないので,そういう特許も生じうるのだと思います.
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