ソリッド,先端交換式および刃先交換式の比較
表 ソリッド,先端交換式および刃先交換式の比較(全体が見えていない場合は横スクロールしてください)
種類 | ソリッド | 先端交換式 | 刃先交換式 |
---|---|---|---|
刃先の材質 | 超硬合金 | 超硬合金 | 超硬合金 |
刃先以外の材質 | 超硬合金 | 鋼 | 鋼 |
加工点工具剛性 | 高 | 低 | 低 |
切削抵抗 | 低 | 低 | 高 |
加工精度 | 高 | 中 | 低 |
経済性 | 低 | 中 | 高 |
工具径 | 小 | 中 | 大 |
ソリッド,先端交換式および刃先交換式が何故存在するのか最初良くわからなかったので,自分なりに考えた結果を記載しています.
結局は,どこまでを超硬合金で作るかによって,各種性能が左右される,というだけの問題だと思います.
ソリッド工具は,全体が超硬合金でできているので剛性は高く,また切れ味もよいのですが,材料単価が高くなり,経済性が悪くなります.
先端交換式と刃先交換式は,刃先近傍だけを交換することで継続して使用ができるので経済性が高いです.
先端交換式と刃先交換式は刃先以外が鋼でできているので,ヤング率が低くなり,工具剛性が低くなります.
実際には,ソリッド工具はフルート部が大きいのに対し,先端交換式や刃先交換式ではフルートがそれほど大きくないように見えます.
ボディ材質の違いを形状で補うことで,工具としての剛性を高く保つ工夫をしているのだと思います.
しかしながら,その分,切りくず処理に影響が出ているような気がします.
ソリッド工具では,ねじれ角やすくい角を大きく取れるので,先端交換式と刃先交換式よりも切れ味がよくできます.
先端交換式と刃先交換式では,先端交換式のほうが切れ味がよいものができます.
「21世紀の工作機械と設計技術
「機械加工&切削工具」」の58ページに,エンドミルでの似たような話が記載されています.
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