切削加工作業関連の資格,技能講習,特別教育など
切削加工の作業においては,実施に資格が必要なものと,資格が不要なものがあります.
そこで,どういったものが必要になるかをまとめます.
まず重要なことは,フライス盤,旋盤,マシニングセンタ,ボール盤などを使うだけなら別に資格はいらない,ということです.
以下のような資格はあるのですが,名称独占資格であり,業務独占資格ではないです.
そのため,能力の証明といった使い方はできますが,これを持っていないと実施できない作業というのは無いです.
そもそもこれらの資格を受験するのに実務経験が必要です.
- 機械加工技能士:フライス盤作業,普通旋盤作業など加工機ごとに分類される
- 切削工具研削技能士
- 仕上げ技能士
加工機を動かして,なんとなく切削をやってみる程度であれば,動かすこと自体はそこまで難しくないので,誰でもできると思います.
実際,卓上NC加工機なんかが最近は通信販売で購入できるので,やってみればよくわかると思います.
難しくなるのはそこから先の,いかにして加工精度を確保するか,どうすれば効率的な加工ができるか,といった経験が必要な部分です.
次に,切削加工関連の作業で資格や受講が必要なものについて説明します.
- 機械研削用砥石の取替:特別教育
研削盤を使うのにも資格は不要なのですが,研削盤の砥石を交換するに必要な特別教育です.
工作機械に付けて使うタイプの砥石を交換するときに必要です.
バランスが取れてない状態で砥石を付けて加工して,砥石が割れて飛散すると甚大な事故につながるために知識がいるのだと思います.
- 自由研削用砥石の取替:特別教育
こちらは,携帯用グラインダや卓上グラインダ,切断機の砥石交換に必要な特別教育です.
これらの装置も,資格がなくても使えるのですが,資格がないと砥石を交換してはいけません.
- クレーン運転:特別教育,技能講習
工作物を移動させるときに使います. 天井クレーンで5t未満のものを運ぶ際には特別教育で問題ないはずです.
5t以上だと技能講習が必要になるのと,そもそも工作物が非常に大きくなり,そんな大きいものを加工する人は少ないと思うので,ひとまずは特別教育でいいと思います.
- 玉掛:特別教育,技能講習
工作物を移動させるときに使います. クレーンにものを吊るすのに必要な資格です.
特別教育と技能講習で,吊るせる荷重と,吊るしていいクレーンの種類の範囲が変わります.
重要なのは,クレーンを動かす資格と,クレーンにものを吊るす資格は別個に用意されているということです.
- フォークリフト:特別教育,技能講習
特別教育と技能講習で,運べる最大荷重と,乗れるフォークリフトの種類の範囲が変わります.
公道をフォークリフトで走る場合には,大型特殊自動車免許や,小型特殊自動車免許が別途必要です.
- 粉じん作業:特別教育
切削や研削をやっていると金属粉(粉じん)が飛散することがあるかと思います.
あれを吸いすぎると肺に良くないんじゃないかなぁと思っているので,これはなんとなく受講したものです.
知識がないよりは,あったほうが身を守れるので受講してみてもいいのではないでしょうか.
そのため,会社に属していない個人が勝手に趣味でやる分には受講しなくても問題ないのかもしれないのですが,作業に必要な知識であり,身の安全のためにも受講したほうがいいと思います.
技能講習や特別教育は,事業者が社内で独自に実施する場合もあるみたいです.
また,日立やコマツ,コベルコなどの建設機械メーカの教習所で受けることができます.
教習所であれば,個人で申し込んで受講することも可能です.
切削加工に直接には関係しないですが,役に立ちそうな資格としては以下のようなものがあります.
- 機械保全技能士
- 自主保全士
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