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最終更新日:2024年05月12日

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切り取り厚さの逆数による比切削抵抗の近似(計算機能あり)

比切削抵抗の利用について」において,比切削抵抗の変化を切り取り厚さの逆数で近似した結果について述べました.
近似式を作成作成するのは,計算方法がわかれば大して難しい問題ではないです.
しかしながら,めんどくさいのはめんどくさいので,このページでは,その手間を省くための計算機能を示します.

比切削抵抗が切り取り厚さの逆数で変化するというモデルを以下に再掲します.

\( K = K_{a} + \cfrac{K_{p}}{h} \)

\( K \): 比切削抵抗
\( h \): 切り取り厚さ(1回転あたりの送り量,もしくは1刃当たりの送り量)
\( K_{a} \): 切削抵抗が切削面積に比例する項
\( K_{p} \): 切削抵抗が切れ刃長さに比例する項

まず,\( K_{a} \)と\( K_{p} \)が未知の場合の使い方について述べます.
ここでは,この\( K_{a} \)と\( K_{p} \)を,いくつかの入力データから算出することができます.
入力部Aに,切り取り厚みと比切削抵抗のデータを2組以上入力した状態で「計算実行」を押すと,\( K_{a} \)と\( K_{p} \)を最小二乗法で近似して得られた結果が表示されます.
このとき,入力部Cに切り取り厚みの数値を入れておくと,その切り取り厚みでの比切削抵抗も算出します.

次に,\( K_{a} \)と\( K_{p} \)が既知の場合の使い方について述べます.
入力部Aに1組以下のデータしか入力されていない場合,入力部Bに\( K_{a} \)と\( K_{p} \)を入力して「計算実行」を押すと,そのときの比切削抵抗の変化のグラフが生成されます.
このとき,入力部Cに切り取り厚みの数値を入れておくと,その切り取り厚みでの比切削抵抗も算出します.

入力部A:切り取り厚みと比切削抵抗からの近似

入力点 切り取り厚みh
(mm)
比切削抵抗K
(MPa)
A
B
C
D
E
*2組以上のデータが入力されていると,こちらの内容が係数αと係数βとして優先される.

入力部B:KaとKpの直接入力

*入力部Aに1組以下のデータが入力されていると,こちらの内容が係数αと係数βとして優先される.

表 係数αとβの一覧
被削材 旋削 フライス
Ka Kp Ka Kp
S45C 2222.7 88.3 1518.3 48.4
SCM 2703.0 190.4 1787.3 79.7
Hard cast iron 2192.4 104.4 2160.1 88.9
FC250 1230.7 92.7 868.8 91.8
A5005 286.9 30.9
*係数は三菱マテリアルさんのサイトのデータを参考に算出しています.

入力部C:切り取り厚みの入力



計算結果表示部

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