切削加工の専門書と論文のリストとオススメ
最終更新日:2021年07月26日

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工作機械の歴史関連の
書籍のオススメ

工作機械の歴史を調べたい人がいれば,参考になる程度の内容を書いておきます.

非常に簡単な歴史を知りたければ,インターネットで適当に検索すれば出てくると思います.
まとまった年表が見てみたい人向けには,「工作機械の設計学(基礎編)マザーマシンを知るために」の4ページに年表があります.
切削の本の中で,歴史について少し触れているものがあり,「基礎切削加工学」,「切削加工論」,「実用切削加工法」,「切削加工の基本知識」がそれにあたります.

もう少し詳しく知りたい人は,「精密の歴史 人間はいかに精度をつくってきたか」や「工作機械の歴史 職人の技からオートメーションへ」を読むといいと思います.
製作された工作機械が,個人に属するものではなくなっていき,会社などの集団に属するものになっていく様子がわかると思います.
技術が高度になっていくにつれて,個人では対応できなくなり,集団で分業しないと競争に勝てなくなるからという一般的な理由が原因だと思いますが,個人的にはどこか寂しい気分になります.

全体的な歴史というわけではなく,個人の視点から歴史が垣間見えるものとしては,一般社団法人SME日本支部の「SMEライブラリー 日本の工作機械を築いた人々」があります.
日本の工作機械の発展に貢献した方々へのインタビュー記事なのですが,昔話が色々書いてあるので面白いです.
同じような意味では,公益社団法人精密工学会の「私の歩んできた道」があります.
こちらは研究者が書いている割合が非常に高いのですが,当時の業界の状況などが垣間見えます.
新訳 科学的管理法 マネジメントの原点」には,1900年頃の機械加工の現場の状況がF.W.テイラーによって書かれており,結構面白いです.

私は学校の教科でいうところの歴史が好きではなかったのですが,自分が所属している業界の歴史は読み物としては結構面白かったなぁと思いました.
工作機械の歴史を勉強してもが自分の仕事に直接役に立つことは全くないのですが,自分の仕事が過去の人の仕事の延長上にあると考えると,モチベーションが多少は上がる効果はありました.



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