切削加工の専門書と論文のリストとオススメ
最終更新日:2020年12月06日

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センサと測定関連の書籍のオススメ

センサを用いて測定を行うわけですが,これには非常に多くの知識を要します.
例えば,センサそのもの,サンプリング,フーリエ変換などのデータ解析,測定誤差などです.

測定を行うにあたって,まずは測定対象にあったセンサを選定する必要があります.
切削加工で使う測定器と測定機にもまとめましたが,様々な測定器と測定機があります.
同じ物理量を測定するものであっても,測定原理が異なる場合,測定精度や測定環境への耐性などが異なるため,よく比較する必要があります.
しかしながら,各測定機に関して詳細が書かれているような本は見たことがありません.
一番詳しく書いてあるのは,各測定機の説明書です.
もし製造元のWEBサイトからダウンロードすることができる場合は,それをよく読むのがよいと思います.
どんなセンサが存在していて,どんな原理のものかをざっくりと書いてある本としては,「はじめての計測工学」があります.

サンプリング,フーリエ変換などのデータ解析については,信号処理という分野になると思います.
サンプリングは,サンプリング周波数をどのように選択すべきか,ということが重要です.
個人的な感想としては,ナイキスト周波数の説明だけで終わっているものが多いように感じます.
これについては,計測・信号処理システムの測定分解能と周波数帯域の考え方にまとめました.
信号処理については,「計測と信号処理」や「計測工学」がよいと思います.

測定誤差に関しては,統計学に関する知識も必要になります.
実験精度と誤差 測定の確からしさとは何か」や「現場技術者のための計測技術入門 -正しい計測が品質をかえる-」がよいと思います.
最低限考えるべきことは,測定したい大きさと,測定分解能の比率を,研究目的であれば10:1は取っておくことです.
生産目的であれば,不良率などを考慮して,検査コストが高くなりすぎないように選定すべきです.
あとは,実際に測定を行うときに,測定対象の動作を行わずに測定を行ったりすることで,ドリフトや環境変化の影響などをどのくらい受けるかを別途把握しておくことです.

切削加工の分野で,どのような測定が実施されているか,を勉強しておくのも良い思います.
もし,自分が測定したいことと同じ試験があれば,それを参考にすればよいからです.
現場の計測技術&データ処理」は,切削加工関係の人には非常に役立つ本だと思います.
他には,同じことを行っている研究論文を探す,という方法もあると思います.



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