硬さのまとめ
切削加工においても硬さ(硬度)というのは重要な要素です.
まず,「切削工具と工作物の材質に必要な硬度差」に記載したように切削工具の硬さが被削材よりも高くないと,切削による除去加工ができないためです.
そのため,「硬さとじん性による工具材質評価の意味」に記載したように,超硬合金,サーメット,ダイヤモンドなどにおいて,工具材質として必要な硬さやじん性といった特性が評価されています.
削る側である切削工具の硬さが重要なのと同様,削られる側である被削材の硬度も重要です.
当然ながら硬いほど削りにくいわけで,「難削指数とレーダチャートを用いた被削性予測(計算機能あり)」に示したように,難削指数におけるレーダチャートでも1軸は硬さになっています.
ただし,硬さの評価でややこしいのは評価方法がたくさんある点です.
主に,ビッカース硬さHVやロックウェル硬さHRC,ブリネル硬さHBが使われています.
硬さ同士の換算としては,ASTM E140やSAE J 417の換算表が有名です.
ネットで検索したら同じ表がいくらでも出てきます.
この表は実際に同じ試験片を異なる評価方法で測定して作成したものではないかと推測します.
それに対して,硬さ同士の理論換算というのも研究されていて,それらの文献を参考にして作った「鉄鋼材料の硬さの理論換算(計算機能あり)」という計算ツールを用意しています.
切削加工結果としても硬さは重要で,サーフェスインテグリティの一種として,加工変質層の硬さ,つまり加工硬化層が問題になることがあります.
これについては「加工硬化層」に記載しました.