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最終更新日:2026年07月05日

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比切削抵抗のまとめ

比切削抵抗は,主に加工条件から切削抵抗を計算する際に使われる数値です.
一般社団法人日本機械学会の機械工学事典によると,比切削抵抗は「切削抵抗主分力を切削断面積で除したもの」となっています.
切削抵抗3分力のうち,主分力を対象とするのが主たる用途のようですが,残り2分力に対しても比切削抵抗を作成して活用することはあります.

比切削抵抗は,ヤング率のような被削材に固有の物性値ではなく,「切削工具側の形状と材料,工作物側の材質,切削油剤の有無,切削条件」などによって定まる値であるため,一覧表のようなものはありません.
比切削抵抗のデータベース集」に示したように,メーカが公表している参考値や,文献に記載されている値があるくらいです.
金属加工業としての切削加工以外でも,切削加工のような形態で材料処理を行う場合に比切削抵抗のような数値を定められるものもあり,それは「被削材としての金属,樹脂,岩石,木材,砂」に参考までにまとめてあります.

加工条件として切削工具と被削材を固定した場合,比切削抵抗は切り取り厚さによる影響を強く受けます.
その変化をどのようにモデル化して利用するか,という点は「比切削抵抗の利用について」に記載しています.
有名なモデルとしてMechanisticモデルとKienzleモデルがあります.
仮に比切削抵抗と切り取り厚さの関係を示すデータが手に入った場合に,モデル化のための係数を求めるための計算機能として,Mechanisticモデルには「切り取り厚さの逆数による比切削抵抗の近似(計算機能あり)」を,Kienzleモデルには「比切削抵抗のべき乗近似(計算機能あり)」を作成してあります.

切削工具の形状によって比切削抵抗を調整したいと考える場合,主に切れ味を変更するイメージになります.
すくい角,傾斜角,刃先丸みについては,それぞれ「すくい角が切削抵抗に与える影響の定量評価」,「傾斜切削における傾斜角がすくい角に与える影響」,「刃先丸みによる,すくい角への影響」に記載してあります.

そもそも,比切削抵抗は,切削抵抗の計算や,トルク,主軸動力の計算に用いられます.
切削抵抗は切削中の振動や加工精度の検証のために用い,トルクや主軸動力は使用予定の工作機械で運用可能な切削加工工程であるかどうかの検証のために用います.

切削抵抗については,旋削加工であれば計算は簡単で,切込み深さと工作物1回転あたりの送り量の積が切削断面積になるので,それと比切削抵抗の積を計算すれば切削抵抗になります.
フライス加工の場合,切れ刃と工作物の接触位置によって切り取り厚さが異なり,切削断面積も変化します.
また,複数ある切れ刃のうち何枚が切削を行っているか,という影響も加味する必要があるので非常に複雑です.
そこで「フライス加工での切削条件計算(計算機能あり)」を作成して簡便に計算できるようにしてあります.

比切削抵抗と加工精度との関係性については,「切削抵抗と,工具と工作物の剛性」に記載してあります.
一般的には,比切削抵抗が高いほど,切り取り厚さに対して生じる切削抵抗が大きいことを示すので,加工誤差が大きくなる傾向にあります.

トルクの計算としては,計算した切削抵抗と,工作物の半径との積を計算すれば,旋盤主軸に対するトルクが計算できます.
フライス加工では,切削工具に対する接線分力を取り出して工具半径との積をとり,各刃先での値の和を取るという操作が必要なので,「フライス加工でのトルクの時系列変化(計算機能あり)」でできるようにしてあります.
トルクの計算方法による影響」に記載していますが,平均トルクと最大トルクは計算方法が異なるので,その点には注意が必要です.

トルクが計算できれば,主軸回転数と組み合わせれば主軸動力が計算できるので,その計算機能は「主軸のトルクと出力,回転数の関係(相互変換機能あり)」に作成してあります.

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